スタンガン豚皮貫通テストのトリックにご用心
【注意】
豚皮の貫通とスタンガンの威力は無関係です。
この件についてあまりにも問い合わせが多いためしっかりと説明します。
素人や初心者は豚皮を貫通すれば強いと勘違いしていまいますが、事実は違います。
勘違いのままオモチャスタンガンを選ばないよう注意してください。
豚皮を重ねて貫通するのは威力とは関係ありません
まず上の図をよく見てください。
スタンガンの内側電極のすき間の違いによって、このように差が現れます。
- 電気が豚皮を貫通して空中スパークしない(左)
- 電気が豚皮を貫通せずに空中スパークする(右)
これを決める両者の違いは「内側電極の距離」です。
この原理は護身用品の専門家であれば誰でもすぐに気づく事です。
素人や専門家でない人はこの貫通の事実を目の当たりにすると、恐らく「豚皮を貫通したから強いに違いない」と勘違いしてしまうことでしょう。
そのせいなのか、たまに当店にも「専門家の意見を聞きたい」という問合せがあります。
どちらがいいのかは、実は一目瞭然なのです。
もう一度上の図をよく見てください。
整理すると両者の違いはこのようになっています。
豚皮貫通したから強いと勘違いしているスタンガン
【勘違い】
貫通するから強いに決まってる。
【本当は】
貫通した結果、威力が弱くて相手を倒せず逆上させて危険。
スパークも発生しないので相手にとって恐怖感ゼロ。
豚皮貫通しないから弱いと勘違いしているスタンガン
【勘違い】
貫通しないから弱い決まってる。
【本当は】
微弱電流で貫通しても撃退ダメージゼロなので無理な貫通はしない設計。
十分なダメージ力を得られなければスパークを発生させたほうがはるかに有効。
相手は電撃を受けずともすさまじいスパークで恐怖感を感じる。
こうやって比べると一目瞭然です。
「弱々しく相手に電気を流し、恐怖感ゼロで相手を倒せず逆上させるスタンガン」
「十分なダメージで相手を倒すか、威嚇スパークで恐怖感を発揮するスタンガン」
この両者のどちらが本当の護身用途として相応しいのか、考えるまでもなく後者です。なぜなら前者は護身用品としての役割を全く果たせてないからです。もちろん当店が販売しているTMMスタンガンは後者の護身用として役に立つスタンガンです。
このような視点でしっかりと分析できるのが護身用品の専門家なのです。
ここでは少し詳しく説明します。意味がわからない方は無理に読む必要はありません。
【豚皮を挟むと威力が極端に弱くなる理由(図左)】
豚皮を挟んだことによって電路上の電気抵抗は数倍に増大します。電流は抵抗に反比例するため電流値は数分の一に低下します。その結果、人体 に届いて流れる電流はごくわずかという事になります。さらに豚皮によって電圧の分圧も起こりますので人体にかかる電圧も数分の一になってしまいます。電流 も電圧も大幅に低下してしまうということです。電流値の弱いスタンガンはこれまで何度も自分自身で体験したことがありますが、ちょうど電気肩こり治療器の ような感じです。豚皮を挟んだときのスタンガンも、恐らく同じような感じだと推測できます。
【豚皮を挟むと空中スパークする理由(図右)】
電気は最も電気抵抗が少ないルートを流れます。そのためスタンガンの電流は、空中放電の電極間隔が狭いスタンガンでは豚皮を貫通する前に、 空中放電用電極の間にある空気を通って流れます。これは電気の基本です。威力が弱いから豚皮を流れないという理屈は全くナンセンスであり、単に電気抵抗の 少ないルートを流れるだけです。豚皮を流れず空中スパークを発生するスタンガンは、そうなるように空中放電用電極のすき間がセッティングされているという ことです。
注意してください!
今回の豚皮トリックは一般の方が見ると勘違いしてしまう可能性があります。
護身用品は万が一の時に生死をも左右する重要なツールです。このような簡単な勘違いをしてしまっても、万が一のときには効かなかったでは済まされません。護身に失敗は許されないのです。これは皆様の安全だけにとどまらず、命に関わる重大な問題です。
スタンガンの善し悪しを見分けるための最大のポイントは「日本護身用品協会認定品」かどうかです。護身用品を検討するときは必ず認定品を選ぶように注意してください。