[2] 粉末催涙剤について |
■ 粉末催涙剤に毒性はありません。しかし大量に吸い込むと危険な場合がありますので、ご注意下さい。
二酸化炭素(CO2)ガスを使用した微燃性の粉末催涙剤噴射器であり、危険なため以下の注意を守ること。
- 炎に向けて使用しないこと。
- 火気を使用している室内で大量に使用しないこと。
- 噴射器を炎の中にいれないこと。
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[微燃性の説明] |
■ 粉末催涙剤の成分(日本製/TMM社製) |
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- 噴射用ガス
二酸化炭素(CO2) 不燃性 12.4g
- オレオレシン・カプシウム OC(Oleoresin Capsicum)
唐辛子の主成分 微燃性 96g(12%)
- コーティング剤
植物を主原料とした抽出精製物質
微燃性 584g(73%)
- 第3種粉末リン酸塩類 NH4H2PO4(ABC粉末消火剤)
不燃性 120g(15%)
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OC粉末剤とコーティング剤(全容量の85%)は植物を主原料とした抽出物質で粉末の個々の粒子は炎に触れると燃焼する。ただし可燃性ガスや液体のように爆発・延焼・炎上はしない |
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噴射した際に紛塵状に飛散し空気と混合した状態で、炎に触れた場合にその箇所に限り燃焼する。粉塵爆発や延焼、炎上はしない。 |
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床や地面に落下したもの又は山盛りにした粉末剤にガスバーナー等で着火しようとしても表面部分が焦げるだけで延焼、炎上しない。 |
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以上、TMM社の調べによる。 |
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催涙剤が付着したときの応急処置 |
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皮膚、目、鼻、ノドに付着した場合は催涙剤の付いた衣類、メガネ、コンタクトレンズなど、すべてのものを早急に取り除くこと。 |
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直ちに、キレイな多量の冷たい水で「痛み」や「ヒリヒリした感じ」が取れるまで洗い流す。そして新鮮な空気(風)されすこと。 |
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クリーム、化粧水、乳液、軟膏、目薬などは痛みや炎症、水ぶくれの原因になるので絶対に使用しないこと。 |
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それでも痛みが治らない場合は直ちに医師に相談すること。その際オレオレシン・カプシウム(OC)催涙剤を浴びたということ。 |
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おおむね1時間以上経過しても痛みがひどい場合は必ず医師に相談すること。普通は、時間の経過とともに痛みやヒリヒリ感も薄れて来て、感じなくなれば特別な後処置や医療処置の必要はない。 |
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オレオレシン・カプシウム(OC)の説明 |
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唐辛子などから抽出する辛味成分で自然食品(天然物質)である。正式名をOleoresin Capsicum オレオレシン・カプシウム(OC)という。皮膚や目、鼻、ノドの粘膜に付着すると、ほとんどその瞬間から皮膚、目、鼻、ノドに火傷のような痛みの感触を生じさせ催涙効果と腫れを起こす。付着する量にも関係するが10分〜30分は効果が続く。 |
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粉末OCの優位性 |
粉末催涙剤を使用する理由は下記の通りである。
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必要以上に拡大しないため民間人が実際に使用しやすい。液体催涙剤の約1/3飛散度で、第3者への被害を最小限にできる。 |
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液体状の催涙剤は飛散し広範囲に放射し易い。それに比べ粉末催涙剤は自らの重みで必要以上に飛散せずに落下する。 |
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屋内、屋外を関係なく使用できる。液体催涙剤を屋内で使用した場合、汚染除去が非常に困難であるが、粉末は汚染除去が比較的に容易である。 |
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以上の利点があり、液体OCよりはるかに高価であるが、その価格を認めて粉末に生成したものを使用している。 |
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OC粉末催涙剤の特長 |
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TMMジェットマグナムのOC粉末催涙剤はCN(クロロアセトフェノン)やCS(クロロベンジリデン・マロノニトリル)などの化学物質とは大きな違いがある。特にCS(クロロベンジリテン・マロノニトリル)はシアン化合物が含まれており毒物劇物取締法に該当する毒物で日本での販売は出来ない。 |
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これらのCNやCSなどの化学物質で製造された催涙剤は安いコストで大量生産が可能だが催涙効果が過度に強く民間人の実際の使用は不向きと思われる。それに比べTMM社では人間や環境に優しい天然物質であるOCを使用している。 |
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粘膜に直接付着した場合、この種の催涙剤に対して抵抗力のある人間(軍隊、警察などで訓練を受けた経験者を含む。)でも目、鼻、ノドが「ヒリヒリ」して激しく涙が出る。咳き込む、呼吸が苦しくなるなどの症状が速攻で現れる。又、アルコール中毒者、覚醒剤中毒者に対しても一番有効である。 |
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CNやCSなどの化学物質の催涙剤よりも医療処置が比較的に容易である。特別な医薬品、医療具を原則として必要としない。 |
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催涙剤、噴射後の汚染の除去 |
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屋外で噴射した場合 |
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建物、車その他地面に落ちた催涙剤を水で流して洗うこと。OC粉末剤は生物分解性の物質なので特別な道具や洗浄を必要としない。又、催涙剤成分には毒性はなく環境を汚染しない、そのまま洗い流した水が下水道や河川に流れ込んでも全く問題がない。刺激臭がなくなれば、それで除去(掃除)が完了したと考えてよい。 |
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屋内で噴射した場合 |
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はじめに屋内の床、壁や事務機(家具)に積もった催涙剤を掃除機などで吸い取る。 |
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おおむね降り積もった催涙剤を吸い取ったら、水でぬらした「ぞうきん」で拭く。床、壁のクロス、家具などすべてのもの。 |
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窓やドアを開けて新鮮な空気(風)を入れる。この作業をはじめにするとOC粉末剤が屋外に飛散して、周辺の第3者に被害を与える可能性を考慮すること。 |
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液状の催涙剤と違い、粉末剤は水分がないのでの壁のクロスや床剤に付着したり、しみこむ事がなく、比較的に簡単に除去(掃除)できる。 |
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粉末剤が噴射されて空気中の湿気を吸い込む前であれば、染みも付かずほぼ完全に元の状態に戻せる。掃除機で吸い取った催涙剤は、そのままビニール袋などで密封して燃えるゴミとして出してよい。水でぬらした後しぼった「ぞうきん」などで拭いた汚れを洗ったバケツの水は、そのまま流し台から流してよい。 |
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屋内の空気や床、壁、家具の刺激臭は時間の経過とともに薄れて最終的に臭いはなくなる。このようになれば、除去(掃除)は完了したと考えてよい。 |
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